BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
2020年東京オリンピックにBMXで世界初となる兄弟出場を目指している「池上兄弟」。
日本国内では競技人口が約1000人余、海外でも少人数のBMX。海外遠征のコストや度重なる怪我にも負けず「自転車がおもしろい」と活動を続けている池上兄弟の弟・泰地さんが、BMXの魅力について語ってくれました。

 BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手

池上 泰地 (いけがみ たいち)

BMX競技者。 「池上兄弟」弟。1999年大阪府出身。
2012年、世界選手権大会にて1/8FINALまで勝ち進む(イギリス)。全日本シリーズ戦優勝(新潟)。
2013年、UCI BMX世界選手権でボーイズ14歳クラスで世界6位に輝く(ニュージーランド)。
同年、全日本シリーズ戦優勝(茨城・大阪・埼玉・広島)。全日本選手権優勝(静岡)。



 毎日自転車に乗っていたい


BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
―最初、自転車に乗った頃のことを覚えていますか? 

4歳でコマなし自転車に乗り始めました。「乗れた!」と思ったときに事故にあい、自転車が嫌になりました。その後しばらく自転車とは距離をおいていました。
僕は空手を習っていました。どちらがいいか選んだとき、兄貴はBMXを選び、僕は空手を選びました。

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
―BMXを始めたきっかけを教えてください。 

父は小さい頃、BMXをしていたそうです。ある日、父がかつて練習していた大泉緑地BMXコースに、子どもの僕らを連れてきてくれたんです。大泉緑地に遊びに来てから、兄が練習しているのを見て憧れました。6歳頃から僕もBMXを始め、1年後に空手を終えてBMX一本にしました。練習を初めていきなり鎖骨を折り、早速療養。半年後、懲りずに再びBMXに乗りだしました。6歳のときに初めて大泉緑地で開かれた大会に出ました。

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
―この春中学校を卒業し、今は働きながらBMXに打ち込んでいるそうですね。 

高校には進学せずに、父のもとで働くことを選びました。兄貴と同じ高校に行くかどうか迷いましたが、BMXに集中するためには通学する時間さえ惜しく感じたんです。少しでもお金を稼いで、遠征費用の足しにすることにしました。今年の4月からこの生活を始めました。平日は働いて夕方から家の近くで練習、土曜日は電車で、日曜日は家族で車でコースまでやってきます。週一回はウエイトトレーニング。ベンチプレス、ランジ、レッグカール、デッドリフトなど下半身中心にトレーニングします。ついこの前、マックステストでスクワット130kgを上げました!

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―すごいです。身体を鍛えて競技に挑んでいても、怪我はしてしまうものですか? 

たくさん怪我をします。中でも大きかったのが小学6年の頃。練習中ジャンプして、着地の衝撃で自転車のフレームが折れて、前輪がふっ飛んで行きました。僕は前傾だったので顔面、頭から地面に叩きつけられて。ヘルメットをかぶっていたけど、そこから記憶がなくなりました。気がついたら病院のベッドにいました。それ以外にも擦り傷は絶えなくて、こけたら腕をざざーっと皮が焼けつくように擦ります。スピードメーターで測ると時速最大60kmくらいになっているので、そういうスピードの転倒です。こけた衝撃で肘サポーターをつけていても服が破れてしまうくらい擦りむきますが、(BODYMAKERのカタログを見ながら)肌にピタッとフィットするロングスリーブは、汗を吸うから練習用として時々着ています。

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
―BMXをこれから観覧する人にとって、「ここは面白いぞ!」というポイントがあれば教えてください。 

丘一つ一つに名前があります。「スタートヒル」が出発する下り坂。「バーム」は大きくカーブを描いているところで、駆け引きに使われる場所です。後ろからスパッと抜かされることもあるし、転倒することもあります。「プロセクション」はその名の通りプロが超えていく山谷の部分で、8~10m程度の距離を飛びます。高さは5mくらいかな?30秒競技、コース一周で順位が決まる、速いレースです。

僕は走る前にコースのイメージはしますが、いざ走り出すと夢中になってイメージが飛んでいってしまいます。でも最近は後ろの音を聞けるようになってきました。後ろから走ってくる選手が右か左、どちらから自分を抜かそうか音で判断します。僕は、後ろから抜かされないようにコースをふさぎます。母は絶叫で応援してくれますが、それは聞こえなくて...。でも周りの誰かがサポートしてくれないと続けられない競技なので、ありがたいです。

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―全日本選手権の常連である池上兄弟。全日本と世界選手権大会のことをお話し下さい。 

全日本選手権は16人が例えばA、Bの二手に分かれます。ABそれぞれ8人が同時にコースを走ります。それを3本走り、A上位4人とB上位4人が決勝戦に進みます。優勝や準優勝、年間のポイントを稼ぐことでランキング上位に入り、日本代表が選ばれます。これで翌年の世界大会に出場できるかどうかが決まります。世界大会で結果を残せば、翌年のシード件が与えられます。

世界大会には3度出場しました。初めては2012年ロンドンで開かれた世界大会、日本代表としての出場です。準々決勝まで進みました。
2013年ニュージーランドのオークランドで開催された、UCI BMX世界選手権大会でも日本代表として参戦して、ボーイズ14歳(年齢別クラス)で6位になりました。同年、オーストラリアの大会には個人で出場しました。ニュージーランドのBMX世界選手権大会1回戦が印象に残っています。今年は6位より上を目指しています。

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
―海外にも次第に行き慣れてきたようですね。 

メンタルが強くなりました。ミスすると精神的に引きずっていたのを、イメージトレーニングでリセットするようにしました。切り替えでき、それが成功につながってきています。

海外で練習したいです。オーストラリアに行ってより一層強く思いました。ホームステイ先の家から1時間圏内にコースが5個もあるんです。オーストラリアはBMXが盛んな国のひとつで、たくさんのコースがあって練習しやすい環境です。そういう場に身を置いてみたい、僕はいつかアメリカで練習したいですね。

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―ライバルはいますか? 

ライバルは新潟の山口大地選手です。小さい頃から上位争いをしてきました。僕は3月生まれ、学年は山口選手と一緒です。早生まれなので年齢別に分かれるのが少しややこしくて、2013年僕は年下のメンバーと同クラスで走り、2014年は年上のメンバーと走ります。彼はUCI BMX世界選手権大会の日本代表として参戦して、ボーイズ15歳で3位になっています。山口選手は日本の高校に通っていますが、3か月アメリカで練習・1週間は日本、という生活をしています。切磋琢磨する相手です。

―目標とする選手はいますか? 

目標とする選手はアメリカのコーベン・シェラー選手です。速さだけじゃなく、技術やスタイル、ジャンプがかっこいいです。BMXは速さのみを競う競技ですが、ジャンプのかっこよさに憧れます。僕が18歳になれば同じエリート(階級)になるので、世界大会で戦うことがあるかもしれません。

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手
―自転車とはどんな存在ですか? 

大切な存在です。自転車を失ったら競技を続けることが出来ない、大きな存在です。今の自転車は確か8代目です。

―夢をお聞かせください。 

夢は東京オリンピックに出場して、いい結果を出すことです。応援宜しくお願いします!

BODYMAKER×アスリート(12)池上泰地選手

兄・池上悠斗選手のインタビューはこちら


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