BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手
いつも楽しそうに車いすバスケットの話をしてくださる網本麻里選手。練習の合間にインタビューに答えてくださいました。

 BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手

BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手

網本 麻里(あみもと まり)

車いすバスケットボールプレーヤー。ポジションはフォワード。
2008年、北京パラリンピックで7試合で133点をとって得点王に輝く。
BODYMAKERサポートアスリート 網本麻里

網本麻里選手 公式ブログ(外部サイトにリンクします)


 2016リオデジャネイロ パラリンピックに行きたい!



―世界選手権に出場されました。
今回の世界選手権12か国のうち、アジア・オセアニア枠の上位5位以上にどこかの国が入っていれば、通常の1か国に加え、もう一か国が振り分けられたのですが...。オーストラリア6位、中国7位、日本9位だったので、2016パラリンピックはアジア・オセアニア枠は一か国しか出られないんです。もともと世界選手権は12か国出場できるんですが、パラリンピックは2か国減って10か国しか出場できないので、狭き門です。でも、個人的には得点王になりました!

―得点王はすごいですね。2016パラリンピックにむけて、今どのような状況ですか?
2000年シドニーパラリンピックのときに日本女子車いすバスケットは銅メダルを獲得しているのですが、私が車いすバスケットを始めたのは2004年、アテネ大会が終わってから。2008年北京パラリンピックでは4位入賞、2012年ロンドンパラリンピックには出場できていなかったので、2016年リオデジャネイロでは8年ぶりに日本女子車いすバスケットが世界大会に返り咲く大会になれば、と思っています。2015年11月にパラリンピック予選があって、アジア地区の一枠をオーストラリア・中国と争うんです。オーストラリアはずっと強豪でしたが、中国は北京パラリンピック以降力をつけてきたチームです。

BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手

―網本選手の右足首は、先天性内反足という骨の病気ですよね。
そうです。お医者さんはスポーツは勧めてきませんでした。それでも体を動かすのが好きで、好き過ぎて、動きまわっていました(笑)。習い事を兼ねて、幼稚園のときに器械体操をやっていたんですよ。その後小学校の友達に「ミニバスやろう」って誘われて。バスケとの違いは、リングが低いこととボール保持できる秒数が違うこと。面白いルールが、5人で4交代することで、一人が4セット出てはいけないんですよ。なので最低10人チームです。

―ミニバスを始めたことがきっかけで、今の車いすバスケットにつながったのでしょうか。
小学校の頃、将来はマネージャーやトレーナーになろうと考えていました。ところが母に「バスケ見てたらどうせプレーしたくなるやろ」と指摘されて。「大阪市長居障害者スポーツセンター」に母と行って、車いすバスケットを見たのがきっかけです。大人ばかりで子供はいなかったのですが、「これでずっとバスケットができる!」と喜んだのを覚えています。その後中学生のころに足の手術を受けつつ、学校ではバスケ部のマネージャーをしながら、時々長居で車いすバスケットをしていました。部活と違って、それはただの遊びやから本気でなかったです。

―いつから本格的にプレーすることを意識しましたか?
高校生の頃、19歳以下なら誰でも参加できる、海外で車いすバスケットボールをやる機会がありました。そこにはオーストラリア、アメリカ、各国代表となる人が居たんです。そこに連れて行ってくれた人が「こういう人たちとバスケやりたかったら、チームに入ってやれば代表選手になれるよ」とアドバイスしてくれて。帰国後、関西にある「カクテル」に入部しました。

―網本選手は、いろいろな人の誘いを素直に聞いて「やってみたい!」と思うことから、これまでの道を進んできていますね。
私が器械体操を習っていたのは、体操選手の池谷幸雄氏が所属していたジムで、オリンピックというのは身近な存在だったんです。そのときから「オリンピックに出たい」と思っていました。ミニバスに誘ってくれたのは小学校の友だちで、車いすバスケットを始める契機は母で、車いすバスケットの代表になるためにチームに所属するといいと誘ってくれた人がきっかけで今に至ります。人のお誘いがきっかけですね(笑)。


BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手

―車いすバスケットといわゆるバスケの違いはどこでしょう?
基本は普通のバスケットと同じルールです。トラベリングもあって、1回こぐタイヤが一歩と同じカウントです。3回こぐとダメ。違いは「ダブルドリブルがない」ことです。2回の間にドリブルすればどこまでも進めます。持ってドリブル、持ってドリブル、を繰り返します。ドリブルがたくさんできる分、パスより多いかもしれませんね。

他の特徴は、「障がいのレベルによって持ち点が分かれている」こと。8段階あります。腹筋や背筋がなくて、みぞおちから下の感覚がないような、一番障がいが重い人は1点。私は普段は歩いているので一番軽い4.5点。1点から0.5点刻みでで4.5点まであります。チームメンバー全員で14点を超えてはいけないんです。例えば障がいの軽い4点の人が5人試合に出たら20点、既に点数をオーバーしているのでダメです。障がいの軽い人がプレーする方が有利なので、軽い人ばかり出場すると公平じゃないからこういうルールがあります。持ち点が低い人も自然に出られるように5人の点数を考えながら、うまく出場メンバーを構成していくのも車いすバスケットでは必要です。

―今はどのようなペースで練習していますか?
カクテルでは週2回くらい練習して、あとは個人でシュートやドリブルの練習をします。一日2、3回朝と晩の練習を毎日やって、気づいたら半月くらい毎日練習していますね。ボール触っていなかったら不安です(笑)。筋トレは週に2回トレーナーさんのプログラムで行っています。プランクなど自分の体重で負荷かけて鍛えます。足はこれくらいの体重負荷は大丈夫です。他に、バランスボールで体幹を鍛えます。この上に座ったり、膝立て乗ったりできますよ!

■笑顔で実演してくださいました。手を振るほどの余裕ぶり!


BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手

―去年のオーストラリアリーグのトーナメント、個人でMVPをもらいましたね。何たる偉業!
(笑)去年まで3年間シドニーのチームにいましたが、今年は移籍してブリスベンの女子チームにいます。去年、シドニーにいるときは男子チームにも所属していました。クラブチームなので「入りたい」と言えば入れます(笑)。でも試合に出させてもらえる機会は限られてて、練習頑張って、少しですが出場できました!

―ポイントゲッターの本領発揮ですね。
いえいえ(笑)。体格の違い、高さの違い、スピードの違いをものすごく感じました。外国人女子チームのメンバーが小さく感じるくらい、男子チームは大きい人が揃っています。私は小さくても、ポジションはずっとフォワードです。フォワードやけどガード寄りの役割を、チーム構成上することもあります。

―練習以外のときは何をしますか?
基本家にいなくて、ずっと練習です。茨城、能代、全国を転々としていますね(笑)。他にはヨガやピラティスが好きでやっています。心斎橋への買い物くらいなら、家から10kmなのでチャリで行きます!大阪は暑いですねー、自転車こいで汗が止まらない(笑)。ブリスベンは日本でいうところの沖縄くらいの気候で、気温差が少ないので過ごしやすいです。去年までいたシドニーはめっちゃ寒くて、冬はダウンがいりますね。

―今、日本は夏ですが長袖を着てもらっています。暑くてすみません(笑)
あはは(笑)日本は夏でもオーストラリアでは冬なので、撥水スウェットパーカー着ていましたよ。


BODYMAKER×アスリート(12)網本麻里選手

―日本とオーストラリアの往復がずっと続きますね。
日本半分、オーストラリア半分です。今秋のアジア大会出場のために、8月9月は合宿に参加します。少しオーストラリアに帰って、日本かえって、を繰り返して。アジア大会の時期は、ちょうどブリスベンでファイナルゲームがある時期と同じで「マリ、帰ってきて!」とオーストラリアチームに言われます(笑)。私、二人いればいいのに(笑)。

―活動資金はどのようにやりくりしていますか?
企業に所属していて実業団みたいな感じでさせてもらっています。「車いすバスケットを仕事にしていいよ」と言われていて感謝しています。それでも資金はおいつかない(笑)。日本パラリンピック協会が予算配分するとき、成績によって競技ごとの予算が決まるので、いい成績に上げていかなきゃ。車いすバスケットは今は予算が少なくて、合宿の移動費とかね・・・わりと大変ですね(笑)。

―めげずに頑張っていますね!どんなときも、網本選手は本当にいつも穏やかです。
オーストラリアで英語で話すときも、口喧嘩にはならないです。私が全然怒らないから(笑)。日本でも怒らないですねー。そうそう、ホームステイ先のファミリーが、「今回はあたしも日本に行く!」って来日していて、バックパッカーの滞在する宿に居ます。日本を満喫していますね。では、そろそろ練習なので、行ってきます!



■取材後記
飾らないその人柄が、いろいろな人とのつながりを広げている網本麻里選手。自分の状況を受け入れ、いつもそのときのベストをつくしていますが、決して力んだものでなく自然体でいます。「車いすバスケットボールが楽しい」と思う気持ちを原動力にして元気いっぱい世界を飛び回っておられる姿に、取材班は思わず顔がほころんでしまいました。


■Mari Amimoto always talks us about wheelchair basket happily.

- You are a amazing top scorer. For the 2016 Paralympics, what is the situation now?
Japan Women's wheelchair basketball team won a bronze medal at the 2000 Sydney Paralympics. I started a wheelchair basket 2004,just after Athens Paralympics. 4th place finish in the Beijing Paralympic Games in 2008, we did not able to compete in the 2012 London Paralympic Games. I hope Japan Women's wheelchair basketball is back in the World Championship for the first time in eight years in the 2016 Rio de Janeiro. We have a Paralympic qualifying in November 2015, and contend with Australia, China, the one frame of Asia. Australia team is a powerhouse for long time, and China team is getting strong since the Beijing Paralympics.

- You have the bone disease called congenital club foot inside on your right ankle.
Right. My doctor did not recommended sports, but I love sports so much, and nobody cannot stop me(laughs). I was doing gymnastics in childhood. Then one of my friends in elementary school invited to me "mini-busketball" . The difference between basketball, one team needs 10 alternates at least.

- mini-basketball was the opportunity what's led you to play wheelchair basketball now.
When I was in elementary school, I was thinking to become a trainer of basketball in the future. But my mother pointed out that "You will want to play basketball anyway." She took me to "Osaka Nagai disability sports center", and I saw a wheelchair basketball. There were only adults, but I rejoiced to play wheelchair basketball. when I was in junior high school, receiving a foot surgery, I played wheelchair basketball after school. It was not a serious, just play.

- When did you make any conscious that you play in earnest?
When I was a high school students, I had the opportunity to play wheelchair basketball overseas. Australia, the United States, and other countries representatives stayed there. People who took me there gave me advice, "If you want to play basketball with them, you'll join to a wheelchair basketball club." he said. After returning home, I joined to the club "cocktail" in Kansai.

- You got many chances from your precious ones.
I had learned gymnastics in my childhood, there was Mr.Yukio Iketani who was a Olympics medalist. Olympics was familiar to me since then, and I wanted to play in the Olympics someday. After that, even I has disease on my ankle, my friend invited me to play mini-basketball. Then my mother gave me a chance to play wheelchair basketball, and somebody who took me to overseas told me to join the club. I was so lucky(laughs).

- What is the difference in the so-called basketball and wheelchair basketball?
The basic rule is the same as an ordinary basket. Tire paddling once is counted the same as one step, and rowing three times is considered traveling. The big difference is "No double dribble". Even you repeat the dribble twice, it is recognized as a legitimate rule. I might dribble more than pass.

"All members are divided points by the level of disability" is also wheel basketball's feature. There are eight stages. Without a spine and abdominal muscles, such that there is no sense of down from the pit of the stomach, people disabilities most heavy one point. I have 4.5 points, it means my handicap is the lightest one. From 1 point up to 4.5 points in 0.5-point increments. We have to compose the team below 14 points in all team members. People who has light disabilities play so favorable, that is way he has a lot of points. Thinking points of five members, and we are going to configure the members in a wheelchair basket.

- Are you practicing anytime now?
I practice about twice a week in the cocktail, and after that I practice of dribble and shoot by myself.If I don't touch a ball I feel anxiety (laughs). I'm training muscle twice with my trainer twice a week. I train over load weight of my own, such as Planck. In the other, I will train the body in the trunk balance ball. I can stand knee on top of this!

■ She was please to demonstrations with a smile!

- You got the MVP of the tournament, Australia league last year. So amazing!
(laughs) I was in the team of Sydney for three years up to last year, but now I belong to a team of Brisbane. Last year, I was also belong to men's team in Sydney. I practiced hard there. Only few people got the opportunity to play in the game, but sometimes I was able to participate to the game!

- Because you are so wonderful point getter.
No, no (laughs). I felt terribly the difference in speed, in physique, in height with men.

- What do you do when the practice other?
I prefer to practice to stay home. I practice in Ibaraki, in Noshiro, and anywhere in Japan (laughs). I also like pilates and yoga. I go shopping by bicycle 10km far from home! Osaka is so hot, my sweat does not stop (laughs). Brisbane is easy to spend in the climate of much of Okinawa where you say in Japan, the temperature difference is small. Sydney was cold in winter.

- Now Japan is in summer, but you wear long sleeves.
Because it is winter in Australia, (laughs) Sweatshirt is useful for me.

- You are round trip between Japan and Australia
Japan half and Australia half. I will participate in training camp in September for Asian tournament. The same time, a final game in Brisbane just coming. Australian team members say, "Mari! Come back!!" (laughs). I wish if I am two people (laughs).

- How do you make activities funds?
I belong to a company which assist funds. I'm blessed with a good opportunity. But funds is not enough (laughs). Japan Paralympic Association budget allocation is determined based on the results of each competition. It is very fairly for wheelchair basket... (laughs). We raise a good performance!

- Any time, you are always really calm.
When I speak in English in Australia, I do not a quarrel. I am not offended at all (laughs). And I do not occur even in Japan. I keep good relationship with my host family. One of them have been in Japan and enjoy sightseeing. She also enjoy staying at an inn for backpackers.So, the time is for practice. See you, bye for now!

■Mari Amimoto accepts her situation, and does her best always, with a natural posture. She really enjoys wheelchair basketball and makes people refreshing and happy.
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