BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校

2014年8月の試合を終え、名古屋・菊華高校での学生生活に戻った高山勝成選手。9月、BODYMAKERは高山選手と菊華高校、高校ボクシング部に取材しました。大晦日の試合を控えた今、振り返って秋の様子をお伝えします。



BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校

高山勝成(たかやま かつなり)

1983年生まれ。大阪府大阪市出身。
第10代WBC世界ミニマム級王者。元WBA世界ミニマム級暫定王者。第19代IBF世界ミニマム級王者。
仲里ジム所属。 トレーナーは中出博啓氏。
BODYMAKER サポートアスリート 高山勝成
高山勝成選手公式サイト(外部サイトにリンクします)





(1)高山勝成選手
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─16年ぶりの学生生活ですね。入学が決まって、1番最初に、したこと/買ったもの/決めたこと、は何ですか?
筆記用具を買い、入寮準備をし、学校に行った日の授業中は寝ずに勉学に集中することを決めました。

─入学して、現在、学生生活はどうですか?
学校生活すべてが、新鮮で楽しいです。

─休み時間は何をしているんですか?
クラスメイトたちと話してるか、予習してるか、寝ているか(笑)ですね。

─制服の着心地は?
着心地はいいですよ。最近太ってウエストがキツイですが^^;

─新鮮な発見、面白い出来事はありましたか?
学校生活すべてが新鮮で、学校生活すべてが面白いです。
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─得意科目、苦手科目、また理由を教えてください。
すべての教科が自分のためになるので好きです。

─学生の時間とプロボクサーの時間、どう使い分けていますか?
朝から夕方まで学生、夕方から夜はプロボクサーと使い分けてます。

─この学生生活で学んだことを、どのように役立てていきたいですか?
勉学をボクシングに生かし、ボクシングを勉学に生かすことができたらいいですね。
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─今後の目標、将来の夢をお聞かせください。
今の目標は、「最軽量級4団体制覇」です。今学校で学ばせてもらっているので、自分が経験してきたことを皆に伝えられたらと思います。





(2)谷先生(担任)
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─入学前から高山選手のことはご存知でしたか?
知りませんでした。

─彼の入学が決まったのを知った時 どんな気持ちでしたか?
正直不安な気持ちが大きかったです。どんな人かも知らなかったですし、自分の感覚で言うと絶対に高校生活を送ることは無理だろうと思いました。年齢がひとつしか変わらない生徒を指導した経験がなかったですし、ボクシングの世界チャンピオン...。暴れだしたら止めれるだろうか(笑)、正直、やりにくい、嫌だなと思いました。

─ボクシングにはもともと興味がありましたか?
やっぱり男なので、小さい時から好きでしたね。薬師寺選手や辰吉選手の世界戦の試合はテレビで見ていました。

─「学生」高山さんは、先生から見てどんな生徒ですか?
勉強面では同レベルもしくは下だったりするんですが、人としてずば抜けた生徒なんで、模範生ですね。勉強も頑張る子です。試合が始まると学校を休みがちになり、宿題や課題がたまるんですが、試合が終わったあとに必ず提出します。確か、夏休みの宿題は1週間で仕上げたと聞いています。とても集中力がありますね。
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─高山選手がいることにより、クラスの生徒に何か変わった事はありますか? 又、彼らに良い影響を与えているとしたら、どんな点ですか?
見た通り、今は生徒たちに馴染んでいて特に変わったことはありません。わかるとしたら、生徒たちは、もっと後になってからでしょうね。今は一人の生徒として教室にもいますし、全体として高山選手を注意することも、もちろんあります。  私も一人の生徒として接しています。彼も一生懸命に学生生活を送っていますよ。

─生徒が年上であること、また世界チャンピオンというアスリートに指導することについての気持ちを聞かせてください。
まず、けがをしないように気をつけています(苦笑)本人は体育の時にも、他の生徒たちと同じように一生懸命に取り組んでいます。私はそれを「ケガをしないか」ハラハラしながら見ていますね。  人間としては、性格や考え方が出来上がっていて、今でも初めの高い志しのままで高校生活を送っています。ですので、私たちにできることは、学力向上のサポートをすることだと考えています。  本人も、将来は指導者への道を視野に入れているので、そのためには大学にも行かないといけないし。今までできなかった高校生活と勉強を楽しく過ごしてもらえれば良いなと思っています。





(3)ボクシング部キャプテン
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校

キャプテン(左) 高山選手(中)


─高山選手の入学を知った時、どう思いましたか
本当にチャンピオンが入学するのかな、もしかして顧問として教えに来て貰えるのかなと思っていました。でも生徒として入学されたので、本当にびっくりしました。

─世界チャンピオンと一緒に練習する気持ちはいかがですか
世界的にもすごいチャンピオンと一緒に並んで練習して「ここは良い、ここはダメだね」など、普通にアドバイス頂けるのは嬉しいです。

─実際に会ってみて、高山選手はどんな人でしたか
ボクシングの高山選手は、僕たちと同じ練習メニューでも一生懸命に取り組んでいます。一緒に練習していると、誰よりもボクシングが好きな気持ちが伝わってきます。学校生活では、チャンピオンとしてのオーラは出さず、会えば「キャプテン!!」って挨拶もしてくれるので、すごく心が広いなぁと思います。

─山口会長はどんな人ですか
最初は怖いなぁと思っていました。でも、よく学校に来てくれて、自分たちの悪いところを熱心に指導してくれたり、スパーリング大会にも連れて行ってくれたり、良い経験をたくさん積ませてくれるすごい人です。

─これから、どんなボクシング部にしていきたいですか。
まだできたばかりなので、ここには部員が5人しかいません。他のボクシング部にはたくさんの生徒さんがいます。来年はたくさん入部してくれて、選手層の厚いボクシング部になれるように頑張ります!!





(4)平田先生(ボクシング部顧問)
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─世界チャンピオン高山選手の顧問になると聞いた時どんなお気持ちでしたか。
ビシバシ教えてやろうと思っていました(笑)冗談ですよ。逆に、自分が高山選手から学べることは全て学びたいと思いました。

─ボクシングの経験はありましたか。
はい、大学時代に3年半していました。

─顧問になったきっかけを教えて下さい。
経歴に[ボクシング経験有]と書いていたことがきっかけです。

─練習中の高山選手はどんな様子ですか?
2つの顔を持たれていますね。ご自身の練習時の顔は鋭くとてもストイックにされていますが、他の生徒へアドバイスする際は和やかにされています。

─高山選手が他の部員に与えている影響はありますか?
一番大きいのは、今教えて貰ってる練習が世界に直結していることを身を持って示されているので、私が指導するよりも、指導の仕方の徹底度や説得力が違います。何よりも、世界レベルのことを、初めから学べる環境はとても素晴らしいですね。
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─高山選手に何か気を使うことはありますか。
高山選手が集中してトレーニングができる環境をきちんと作れているかどうか、心配しています。

─ボクシング部としての目標はありますか。
まだ1年目で走りだしたところですが、ゆくゆくは東京オリンピックで活躍する選手が出てくればいいと思っています。

─先生として、今後高山選手をどのように指導していきたいですか。
学業面では指導できることはたくさんあると思います。ボクシングでも頭を使われているので、そのことが他の世界でも生きるんだよと。授業を通して指導することができればと思っています。





(5)山口会長
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校

自身もプロボクサーとして戦い、菊華高校ボクシング部も指導する山口賢一選手(2014年8月のロングインタビューはこちら)


─高校の顧問になったきっかけと、高山選手の入学が決まった経緯をお聞かせ下さい。
三重県にある進学校で出会った野球部の監督が、現在菊華高校で監督をされてる恩師でした。高校卒業後も、母校へ走り込みやトレーニングに行ったりと、恩師との付き合いはずっと続いてました。  確か10年前位でしょうか、高山選手と一緒に走り込みをするために泊まり込みで母校へ行きました。それが高山選手と僕の恩師との初めての出会いでした。昨年ですかね、名古屋に僕と高山がいて久しぶりに監督に会いに行ったんです。その時に恩師が、高校にスポーツ科ができてこれから注力するから、ボクシング部の監督をしないかと提案したのがきっかけでした。  ジムのこともあり大変になるかなと思いましたが、その反面きっと面白くなりそうだとも思いました。同席していた高山選手は高校に行ってなかったので、僕が高校入学をその場で提案したんです。初めは高山もとまどっていましたが、ひとまず試験を受けてみることしたんです。そしたら見事合格し、入学が決まりました。

─高校生と社会人に対して、指導内容の違いはありますか。
違いはありません。小学生、中学生、高校生、大人もすべて同じです。僕の指導は、型にはめることはしません。自分で何が足りないか考えて練習を決めたら、僕はその方法を教えるだけです。  僕はボクシングノートを持っています。ボクシングの練習メニューや、誰とスパーリングをしたか、選手の特徴など細かくつけたノートです。ある試合で、僕は絶対勝てないと周りの人たちに言われましたが、昔その選手とスパーリングした時に感じた特徴がノートに残っていました。それが相手の弱点だと信じて試合に臨み勝つことができたんです。このことは、僕の大きな自信になりました。  このノートを作ったことや、「やらされるのでなく、自分で考えることが大切だというプロ意識」を、恩師である菊華高校野球部の監督に教えて頂きました。

─地域によって素質の違いはありますか。
名古屋は少し遅れています。理由はボクシング人口も大阪に比べ少ない、世界チャンプもジムも少ないことが考えられます。  大阪ではスパーリング大会は週1.2回どこかで行われています。外にでる回数も多ければ自信にもつながります。生徒には自信をつけてもらいたいですね。
BODYMAKER×アスリート(13)高山勝成選手&菊華高校
─学生だけのヒミツの特訓法はありますか。
ありません。その生徒が何を練習したいか、自分で考えて決めてもらうだけです。僕はその生徒の長所を伸ばして、短所を無くしていく。長所も短所も自分で見つけて考えさせることを大事にしたいです。

─どんなボクシング部を目指しますか。
もちろんオリンピックを目指して、金メダルを取れるようなボクシング部を目指してほしいですが、それよりも自分自身が納得したボクシングができるようになってほしいと思います。結果ではなく過程を大切にしています。

─会長、選手、高校コーチ、マッチメーカーと4つの顔を持っていますが、今後、選手としての活動はどうされますか。
試合やりたいですね!! 選手としてもあと2,3年はいけると思うんですが、自分より面白い選手が出てきてくれることも望んでいます。 4つも顔を持って使い分けているつもりはないですが、僕はただボクシングが好きなだけなんです。ボクシングの先輩として、ボクシングを好きな人に教えている。ただそれだけです。
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