BODYMAKER×アスリート(14)大村詠一

大村詠一選手は、技術と芸術性を併せ持つエアロビック競技で、日本一を2回獲得したことがある、日本エアロビック界の第一人者。一方では、幼少の頃から1型糖尿病と向き合っている患者でもあります。そのハンディを力に変えて、様々な活動をする大村選手にインタビューしました。



BODYMAKER×アスリート(14)大村詠一

大村詠一(おおむら えいいち)

1986年生まれ。熊本県出身。
エアロビック競技選手。
認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク 専務理事。
熊本国府高等学校 非常勤講師(エアロビック同好会顧問)。
西日本短期大学 非常勤講師(エアロビックダンス1、体操)。
熊本大学教育学部 技術補佐員(物理)。
エアロビッククラブ Team OHMURA 所属。
大村詠一オフィシャルサイト~1 型糖尿病とともにエアロビックで世界へ~(外部サイトにリンクします)
日本 IDDM ネットワーク(外部サイトにリンクします)




1 型糖尿病でも競技スポーツが出来ることを身体を使って伝えていく
BODYMAKER×アスリート(14)大村詠一
─エアロビック競技とはどういうものでしょうか。
フィットネスクラブで親しまれているエアロビックのステップや体操競技のようにアクロバティックな技を、音楽に合わせて1分30秒という限られた時間の中で表現する競技です。審査方法は、体操のように減点方式の実施点と加点方式の難度点だけでなく、加点方式の芸術点を加えた総合点で評価されます。1人で行うシングル、男女2人のミックスペア、3人のトリオ、5人のグループと部門があり、男女共通のルールブックがあります。一番大きな大会は、2年に1度の世界選手権で、約40カ国が参加します。

─エアロビック競技との出会いはいつでしたか?
母がインストラクターをしていたこともあり、4歳からエアロビックを始めました。競技転向したのは小学 5 年生。小学校中学年からは、卓球、ソフトボール、サッカーなど他のスポーツもやったんですけど才能がないのでやめました(笑)。でも逆に、そのおかげで今までエアロビックを続けてこれたような気がします。練習では辛い事の方が多いですが、勝つことで評価されたり、出来ない技が出来るようになると嬉しく、次へのモチベーションに繋がりますね。確かに血糖値のコントロールなど気にかけないといけないことは多いですが、1型糖尿病とエアロビックが無ければ出会えなかった仲間がたくさんいるので、両方あっての僕自身だと思います。

BODYMAKER×アスリート(14)大村詠一
─:1型糖尿病について教えてください。
日本には予備軍合わせて糖尿病患者が約 2050万人いるといわれており、その約 95%以上が生活習慣病と言われる「2型糖尿病」であり、残り5%未満の患者が自己免疫などにより発症する「1型糖尿病」です。膵臓の β 細胞でつくられる「インスリン」という糖の取り込みなどに必須なホルモンが分泌されなくなるため、一生にわたって体の外からインスリンを補わなければいけません。生きるためには、一日4、5回の注射を食前や就寝前などに打つことで血糖値を下げたり、低ければ糖分を補うことで血糖値を上げたりと、毎日の血糖値のコントロールが義務付けられています。しかしながら、これさえきちんとしていれば、病気ではない方と同じように生活出来る病気なのです。治療に合わせて生活を変えなければいけない時代もありましたが、今は医療の進歩により自分の生活に合わせて治療を選ぶことが出来ます。

─発症が小学2年生の頃だと伺いました。
発症当時は「なんで自分だけ?」と現実を受け入れることが出来ず、他人になかなか言えない時期もありました。ですが、恩師に「なんで言わないんだ?」と問われ、親しい友人らに泣きながら説明し、病気をOPENに出来るようになると非常に楽になりました。それからエアロビックで活躍する機会も増え、メディアに取り上げられることも多くなりました。

BODYMAKER×アスリート(14)大村詠一
─今後の目標は。
今年4月の東京国際でエアロビック競技日本代表として、どこまでいけるか楽しみにしています。また、世界を見据えて、あと2~3 年は選手として頑張ってから、競技発展のために貢献していきたいと思います。この競技を広めていくのが僕の使命だと考えて、オリンピック・パラリンピックスポーツにしていきたいと思っています。そのためにきちんと結果を残していきたいと考えています。また、僕は現在、認定 NPO 法人 IDDM ネットワークという患者・家族の支援団体で「救う、つなぐ、解決する」の3つのテーマで活動しています。これからも、1型糖尿病の根治に向けた研究助成を行っていく為に寄付金を募り、2025 年には治る病気にしたいと考えています。

─最後に伝えたいことをお聞かせください。
病気は、ハンディだとだと言われることも多いですが、病気になり、マイナーだけれどエアロビック競技を続けていたおかげで出会えた、たくさんの出会いが僕のアドバンテージとなっています。これからも僕が挑戦することで「病気でも何にでも挑戦出来る」ことを伝えていきたいです。また、一般の方も運動を習慣付けてほしい。是非、BODYMAKER の服を着て(笑)、継続可能な運動習慣を身につけてほしいです。

BODYMAKER×アスリート(14)大村詠一




テレビ出演 2015年1月11日(日) よる22:42~ テレビ東京「HOPE for tomorrow」

書籍 「僕はまだがんばれる 大村詠一の挑戦」  ※売上の一部が1型糖尿病に関する研究助成費用として寄付されます。