BODYMAKER×アスリート(23)吉鷹弘

『チーム吉鷹』は、シュートボクサー吉鷹 弘氏が「格闘技業界の技術の底上げに尽くしたい」という想いで立ち上げた格闘技練習会。
別名"虎の穴"とも呼ばれる練習会を取材した。



吉鷹 弘(よしたか ひろむ、男性、1968年1月9日 - )
日本のシュートボクサー。
高校より柔道を学び(段位は四段)、大学より極真会館中村道場(兵庫支部)で極真空手を学び、その後シュートボクシングに転向する(北摂ジム所属)。
シュートボクシングではプロファイターとして活躍。当時の欧州キック界の名立たる一流選手(ラモン・デッカーなど)やムエタイ戦士と多数対戦。 好成績を収めた。
1998年、現役引退。その後、格闘技・武道の技術の追求を続け、2003年「チーム吉鷹」を結成。
競技、団体を問わず格闘技全般の技術向上に努めている。

『チーム吉鷹』公式ブログ(外部サイトにリンクします)




関西にある「虎の穴」。チーム吉鷹の魅力
―遅い時間にみなさんかなり気合を入れた練習をされていましたね。 いつもこんな時間までやっているのですか?
そうですね、毎週土曜日、夜10時半くらいから集まって1時までやります。
終わってからも質問などがあるので、3時くらいになるときもあります。早く来て早く帰っても良いし、遅く来ても良い。
道場をもっている先生もたくさんいて、指導が終わってから来るのでどうしても遅くなりますよね。
でも、最後までつきあいますよ。

─チーム吉鷹のような団体間の垣根を越えた稽古の場所はそう多くないと思います。その魅力を教えて下さい。
まず緊張感ですね。
あとはやっぱり、自分の競技に無い技を直接聞けるなど情報収集できる横のつながりが一番大きな魅力ですね。
組み技系の柔道だったら、合同練習は多いけど、打撃系は少ない。結構閉鎖的にやってるジムが多いので...。そういった垣根を取っ払いたいと思っています。

─なるほど。そんな想いがあって「チーム吉鷹」を呼びかけたのですか?
いや、まったく呼びかけてないですよ。最初は4、5人でやってました。
知り合いに「打撃のめんどうを見てくれ」と言われて、少林寺の道場を使っていいというので数人に教えてたら、「あ、行ってもいいんや」という感じでどんどん増えて来た。
最初は怖がられてたみたいですけど。(笑)
なんだかんだで20以上のジムから集まってきましたね。

BODYMAKER×アスリート(23)吉鷹弘
─吉鷹さんに直接指導していただけるということで、多くの格闘家が参加されているかと思いますが、どんな方がいますか?
総合やキックのプロも多いですけど、特にフルコンタクトの選手が多いですね。
なぜかというと、顔の技を習いたいと。空手は顔面なしじゃないですか。なのでやってみたいのではないでしょうか。
僕だけが教えるのではなくて、お互いに刺激し合ってレベルアップをはかれる場になればと思っています。
名のある選手がお忍びで来たりしますね。

─「チーム吉鷹」は、プロだけではなくて、一般の練習生もいるようですね?
一般の方とプロの方では力に差がありそうですが、練習内容を変えているのでしょうか?
一般の人はいきなりプロと同じ内容では危ないので、まず別リンクで一年間ディフェンスを学びます。週一回一年間やれば、プロと一緒にできるようになります。

─たった一年で?
十分行けますよ。一年って長いですから普通の根性だったら辞めると思いますが。
たとえば、ウチに通っている一般の53才の男性の場合、最初は怖がっていましたけど、一年経ったらだんだん自信がついてきてプロとの練習にも気持ちが追いついてきました。
自然に一緒にやっていけますよ。とはいえ、プロも本気出すのではなく、一般の方にはうまく対応しながらやってくれるので大丈夫です。
普通はジムに入っても練習は別々でプロに技術を教えてもらうことはないですよね。でも、ここにくれば上下関係無し。
一般の親父連中も上手いですからね。チケットたくさん買ったるとか、飯連れてったるとか、うまいこと言って仲良くやってますよ。(笑)

BODYMAKER×アスリート(23)吉鷹弘
─では、これからチーム吉鷹が目指すところを教えてください
一般の生徒は、他のジムではなく、ここに来て良かったなと思ってもらいたい。格闘技の見方が変わったら良いなと思います。
指導者には、他では学べないことを学んで自分の道場で活かしてほしい。そういう練習の場にしたいと思っています。
プロの選手は、自分なりに満足した実績を残せるようにしてやりたい。
燃え尽きさせたいんです。身体ボロボロって言う意味じゃないですよ。良い意味で。実力を出し切って世間から評価されてほしい。

他のスポーツには無い魅力が格闘技にはありますよね。他のスポーツでは味わえないものを味わえる。野球やサッカーもしんどいと思います。昔は僕も野球をやっていたんで。
でも格闘技は怪我が多いし、大きい怪我の場合は命に関わることもある。非常に危険ですけどそのかわり練習の度合いはすごみがあって、やったらやっただけ返ってくる。
僕らの時代は出たら出ただけの評価がありましたが、今は団体がありすぎるし、雑誌はあまり無いし評価を得られにくい状況です。 だから、やっている人の評価が上がるように日本の格闘技業界の底上げをしたいです。
たとえば総合だったら、UFCで通用するような選手を出したいと思っています。


BODYMAKER×アスリート(23)吉鷹弘
かつてシュートボクシングで伝説を残した吉鷹さんは今や、格闘技を愛するものすべてを受け入れてくれる父親のような存在になっていた。
ぜひ週末、吉鷹さんの胸を借りにきてみてはいかがだろうか。
世界が広がり、自分の可能性がもっと広がるに違いない。


追記
今回のインタビューで吉鷹さん愛用のグローブを見せて頂いてびっくり。
それは、12年前のBODYMAKERのグローブだったのです!
そして道場には13年前のモデルのアッパーバッグがまだ現役で選手たちの相手をしていました。